近年、義務教育で小学校でも英語の授業が始まっています。
中学入試でも英語の試験が求められるケースが出てきていて、結果として中学、高校でも英語の授業やテストのレベルがぐっと上がってきているようです。
そのような中で「うちの子も英語ができないと落ちこぼれてしまう。どうしよう…」
というような焦りを感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そんなお父さんお母さんが真っ先に考えるのが英会話スクールではないでしょうか。
しかし、英会話スクールににお金を費やす前に、お子さんに本当の意味での英語力を身に着けてもらうための第一歩として、すべきことがあります。
それは英語を日常化することです。
「なにそれ?」と思った方もいらっしゃると思いますが、順を追って説明しいきましょう。
英会話教室の効果と問題点
今やオンラインもオフラインも沢山の英会話スクールがあり、場所も時間も問わず手軽に受講することができますよね。
しかし、英会話スクールに通えばそれでもう英語はバッチリ、なのでしょうか?
私はちょっと否定的です。語学の習得には1万時間かかる、と言われることがあるように、英会話スクールで週にせいぜい数時間学んだところで、劇的に英会話ができるようになることは期待できません。
香川県で「じゅけラボOnlineインターナショナルスクールJOI」が実施した、子どもが英会話スクールや英語塾に通っているまたは通っていたことがある香川県の男女190人向けのアンケートでは、下記のような結果が出ているとのことです。
「英会話スクール、英語塾に通った結果、お子さまの英語力はどうなりましたか?」と質問したところ、香川県では英会話スクールや塾に通って英語のスキル向上を明確に感じられなかったと感じている人が一定数いることがわかった。
https://news.mynavi.jp/article/20230922-2776590/
また、別の質問の中では、「学校や英語塾の授業に対する効果を十分に感じていない人が多い」という結果も示されています。
この記事を読んでも、私たちは、英語は塾やスクールに過大な期待を抱いているのではないかという疑問がわいてきます。
こうした考えを勝手に「英会話スクール信仰」と呼ばせてもらうと、この信仰は、英語の習得にとってむしろ逆効果ですらあると思います。
なぜなら、「英会話スクールにさえ通えば英語が話せるはず」という信念ゆえに、もしうまくいかなくても、「スクールや先生が悪いから別のところを探そう」とか「もっとコマを増やそう」と考えて、英会話スクール以外で、英語と向き合うことが出来なくなってしまうからです。
英語の習得には膨大な時間がかかります。とても英会話スクールだけでは足りないのです。
それに、英語スクール信仰は、メンタル面でも悪影響があります。
お子さんのとって、英語が、英会話スクールだけで英語の先生との会話のために使う、特殊で特別な言語、というふうに刷り込こまれしまうということです。
ただでさえ日本人にとって、英語は文法も音も全く異なる違和感満載の言語ですから、英語を英会話スクールに閉じ込めておくことは私たちの深層心理的にも快適なのかもしれません。
ですが、そんな先入観に染まっていないお子さんにも同じ英語に対する特別感・違和感(英語ってなんかヘン、しゃべるの恥ずかしい‥‥)を持たせてしまっては、英語取得のブレーキにしかなりません。
英語を日常化する方法
英会話スクールなどにお金を使う前にやっておくこととして、私が提唱したいのは、まるでステージ上の王座に優雅に座って羨望や信仰のまなざしを受けているような英語を、そこから地面に下ろしてきて、日常化することです。
英語の日常化とは、日々の生活の中で自然に英語を取り入れていくことです。
あるいはもっとシンプルに、家族みんなで英語を使って、英語を好きになること、とも言えます。
その具体的なやり方は、とっても単純です。
例えば家族の中で英語で挨拶してみること。
Good morning. (おはよう)
Good night.(お休み)
Thank you. (ありがとう)
Good job. (よくできたね)
I'm home. (ただいま)
こういったごくごく簡単な英語でOKです。
あるいは、一緒にテレビやラジオの語学番組を聞くのもよいです。
今はラジオでは小学生の基礎英語とか基礎英語は中学生1年生向けの番組、いい番組でいろいろ揃ってますよね。
(NHKラジオ語学講座の魅力は下記記事でもご紹介しています)
もちろん、テレビでも「えいごであそぼ」といった学びの番組や「スポンジボブ」「おさるのジョージ」など、見るだけで楽しめるアニメありますよね。こういったものを楽しみながら英語を日常化していくことも効果は大きいです。
それから、英語の絵本を読み聞かせるのもおススメです。ネイティブでいえば未就学児や幼稚園児向けの本当にシンプルな本でもいいんです。
発音の上手い下手は気にしなくても大丈夫。お母さん・お父さんが英語を使っている、という事実がお子さんにインプットされることが大事なのです。
私自身はBob Booksの一番初歩的なものを一日一冊、読み聞かせたりしていました。図書館でも英語の絵本があると思いますので、探してみてください。
このように英語を日常化する手段があるなかで、一番簡単で今すぐ、お子さんが0歳で有っても始められるものとして、私が特にお勧めしているおんが「英語の歌」です。
英語を歌おう♪
英語の歌なんて歌えないよと思うかもしれませんけれども、歌はメロディーに乗っているので英語でも歌いやすく、覚えやすいという特徴があります。
文字の無い時代、文字を読めない人が大半だった時代を経て伝わってきているわけですから、覚えやすさという意味では歴史が証明しています。
まずYouTubeなどで、いろんな英語の歌を聞いてお気に入りの歌があったらちょっと歌ってみようかなということでやってみてください。
例えば、YouTubeチャネルのSuper Simple Songsは本当に簡単な曲がたくさんあって、かけ流しにもおススメです。
https://youtube.com/@SuperSimpleSongs?si=bpNKWxQV98kezxgM
私も、マザーグースと呼ばれる英語の童謡を歌う活動を行っており、書籍を出版したり、YouTubeチャンネルで暗唱ガイドをしたり、暗唱イベントを開いたりしています。
良かったらチェックしてみてくださいね。
一つでも歌を覚えられたら車の中とかお風呂とか寝室でとか歌ってみてください。いつの間にが、親子で英語を歌うこと、そして英語が楽しく大好きになっているはずです。
この好きになることは、これは英語の早期教育化よりも、英会話教室に通わせることよりも根源的に大切なことだと思います。
まとめ
英会話スクールに通わせることはお金も労力も掛かりりますので、大きな決断です。その前に、今日から今すぐできることとして、家族とで「英語を日常化すること」にぜひ挑戦してみてください。英語はイマココで使ってよいのです♪
英語日常化については下記の本もおススメです。