NHKのラジオ英語講座には様々な番組がありますが、中高生レベルはなんとなく大丈夫だけど、その次のステップを模索している、特に大人の方にオス勧めしたいのが「ラジオ英会話」です。この記事ではこの番組の概要と魅力をご紹介したいと思います。
目次
ザックリどんな番組？
- NHKラジオ（第2&FM）で放送されている英会話を学ぶ番組です。
- NHK出版が販売する月刊のテキストと連動してますが、テキスト無しでも学ぶことは可能です。
- 多数あるNHKラジオの英語番組の中で、中高生を対象とした基礎英語シリーズの次のステップとして現役学生にも、大人の学び直しにも最適な番組とされます。具体的には「中高生の基礎英語 in Enliglish」と「ラジオビジネス英語」の間に位置付けられています。
- 難易度の目安ですが、英検２級程度、CEFRレベルでいえば、B1（社会生活での身近な話題について理解し、自分の意思とその理由を簡単に説明できる）となります。
- 放送は1回15分で週平日に5レッスン。ダイアログ（会話文）を聞いて意味の確認→Grammar and Vocabularyで文法と語彙をチェック→Target Formsで月ごとのテーマに沿った文法のポイントをイメージ重視で学び→Grammar in Actionで練習問題に取り組むという流れです。
尚、実際の番組を聴いてみたい、という方は、こちらの「おうちで英語学習2023」サイトでどうぞ。現在放送中の2023年度分について、過去2か月分の放送がアーカイブされていますよ。
講師&パートナー
講師は大西泰斗先生。東洋学園大学教授です。NHKテレビでも様々な番組で講師を務めた経歴があり、2018年度からラジオ英会話の講師を務めています。
英文法を無味乾燥なルールとしてとらえるのではなく、ネイティブと同じようにイメージで理解することを提唱されており、多くの英語学習者に支持されています。
NHKデジタルマガジンで先生のお話をまとめたコラムでは、英語を話せるようになるには「語順の違いを乗り越える」「日本語訳ではなくイメージを学ぶ」「クオリティーの高い教材を大量にこなす」「楽しくなければ続かない」が重要と主張されており、ラジオ英会話もこうした点を盛り込んだ番組となっています。
パートナーは日本語も堪能で女優としても活動されている秋乃ろーざさんと、この番組のテキスト共同執筆も務める英語教育者のDavid Evansさんのお二人です。
番組の５つの魅力
『ラジオ英会話』の番組の魅力を5つに絞ってご紹介しましょう。
その１：ダイアログが面白い！
番組は毎回100ワード程度のダイアログ（2人の間の会話）形式が中心になっています。
このダイアログはNHKラジオ語学番組では定番ですが、『ラジオ英会話』では、様々な登場人物が日々入れ替わり、立ち代わり、会話を繰り広げます。
例えば、2023年3月号第一週の例でいえば、ダイアログの登場人物は以下のようになっています。
Lesson 221：大学生のロキシーとマサル
Lesson 222：異星人ゼイトクスと将棋クラブ部員のマサミ
Lesson 223：ベーシストのデレクとその恋人ドリス
Lesson224：考古学者ピーコック教授とニュース記者エマ
人間のみならず、異星人まで登場します（あと、アンドロイドもいたりします）。
こうした人物のくつろいだ会話から揉め事まで、多様なストーリーが展開されるので全く飽きませんし、次は誰のどんな話が繰り広げられるのか、
放送を聴くのがとても楽しみになります。
その２：講師陣が楽しい！
NHK語学番組で、英語の勉強というと堅苦しく感じるかもしれませんが、講師陣は気楽に学べる雰囲気づくりに非常に気を配っています。
その姿勢がはっきり表れるのが、オープニング。普通、番組名と講師名を名乗って、すぐに学習に入りますが、『ラジオ英会話』では、
先生のジョークやボヤキから始まることが頻繁にあります。これがユーモアたっぷりで、なかなか面白いのです。
一例として、2023年度Lesson227のオープニングです。
大西先生：僕は家では怪盗（解凍）ルパンと呼ばれているんですよね。家族が夜ご飯用に解凍している肉を昼ラーメンに入れて
食べちゃうからですよね。ラジオ英会話、ハートでつかめ英語の極意、講師の大西泰斗です。
ろーざさん：Sensei, you always use too much. Hey everyone. This is Akino Roza.
Davidさん：And I'm David Evans. Uh, He's a meet thief.
こんな具合です。
かろうじて、ろーざさんのいうYou always use too much.がその日のダイアログに登場する表現になっていますが、必ずしもその日
の学びと関係があるとも限りません(笑)。
でもこれはお遊びでは決してなく、番組の敷居というかハードルを下げて、誰もが気軽に聞けるようにという戦略的な配慮である
ことは間違いありません。そんな気配りをされる講師陣なので番組中もリラックスして聴くことができ、しかもエンディングでも
また楽しいやり取りが待っています。最初から最後まで楽しく聴ける配慮がしっかりされている番組なのです。
その３：自分の英語レベルに合わせて聴ける！
冒頭で記載の通り、『ラジオ英会話』の難易度の目安は英検２級程度、CEFRレベルでB1（社会生活での身近な話題について理解し、
自分の意思とその理由を簡単に説明できる）となります。しかし、これに届かない人でも、十分届いている人でもこの番組は聴き
ごたえがあります。
番組で先生も、音読を推奨していますが、英語に苦手意識があったり、学び直しをしている方は、何度もダイアログやキーセンテ
ンスを音読して、英文を体にしみ込ませることで深い学びができます。同じ放送を再放送やオンラインで繰り返し聞くことで定着
を図ることもできます。また、英語好きの中高生の方が少し背伸びをして聞いて英語力を伸ばしていくことにも最適です。
一方、既に英語が得意な方や時間がない方は、さらっと1回聞く流すだけでも、これを日々継続していくことで英語力の維持に大い
に役立ちます。
その４：文法重視で基礎力を再強化できる！
英会話と銘打った番組ですが、初めて聞いた方は英文法を非常にしっかり学習する点に驚くかもしれません。
基本文型、語順の重要性、助動詞、時表現、前置詞等々、番組では受験英語から遠ざかると忘れてしまいがちな英文法の論点を
繰り返し取り上げてくれるので、非常に有効な学び直しの手段になります。
特に、2024年は、「今期の目標は英文法のマスターです」（4月号テキスト講師挨拶より）と宣言されており、4月号は「英文法の柱」として、
「５文型」を取り上げています。この調子で、英文法を集中的に学べる1年になるはずです！
文法ばかり習っても、英語が話せない、というのは典型的な日本の英語教育を批判・揶揄する声ではありますが、
言いたいことを正しく伝えるためには基礎的な文法が絶対に必要です。大事なのは会話と文法のバランス。
この番組は絶妙なバランス感覚を見事に保ち、正しい文法理解に基づいて英会話を学べる番組になっています。
その５：コスパ最強！
2024年度の『ラジオ英会話』テキストは1か月分が660円（税込み）。23年度の550円から値上げとなったものの、
週5レッスン×4週間としても月20レッスンですので、1レッスンあたりはたったの33円。
この値段で、しっかり英文法や会話表現が学べるわけですから、驚異的なコスパと言えます。
さらに言えば、テキスト無しで、放送を聴くだけでも十分に学ぶこともできますが、テキストがあると、重要なポイントを目で追ってしっかり学べたり、
様々な連載を楽しめたりしますし、何よりもテキスト代という投資をしっかり回収しようという義務感が生じて、しっかり番組を聴くようになります。
ワタクシ、決してNHKの回し者ではありませんが(笑)、金銭的に余裕があれば、是非テキストを買って、学んでいきましょう。
4月号の試し読みはコチラのリンクから：https://www.nhk-book.co.jp/tachiyomi.html?id=000009137042024
番組の聴き方
NHKラジオといっても、今はラジオに限らずオンラインで聴くこともできます。そんな聴き方をまとめた記事もご用意していますので、併せてご参照ください。
おわりに：イマココ英語主催の復習会のご案内
ワタクシ、Shinが主催する英語学習コミュニティ『イマココ英語』では『ラジオ英会話』有志リスナーによる勉強会（会費制）を開催しています。
1期を6か月として、6か月間1500円の会費で、基本的に毎週土曜日の朝6時半から20分間Zoom開催しています。
内容としては、ロールプレイでダイアログを音読した後、みんなのメモ、という参加者の皆さんと私が記載した気づきや疑問のメモを紹介していく
流れとなります。参加者の方にもロールプレイやメモの紹介に参加頂ける形になっていますし、もちろん耳だけ参加でもOKです。
土曜の早朝となりますが、リアルタイムで参加できるためには朝活のペースづくりに活用頂けますし、時間的に厳しい方にはアーカイブ配信をご用意しています。
20名弱の全国のリスナー仲間と励ましあいながら、1年間『ラジオ英会話』の学習を継続しませんか？
ご興味ある方は、見学も随時受け付けていますので、下記の本Webサイトのトップページよりチェックしてくださいね！