目次
まずは聴いてみよう
ウクレレ歌唱動画も見てみよう
歌詞をチェックしよう
Baa, Baa, Black Sheep
Baa, baa, black sheep,
Have you any wool?
Yes, sir, yes, sir,
Three bags full;
One for the master,
One for the dame,
One for the little boy
Who lives down the lane.
めえ,めえ,クロひつじさん、
羊毛はありますか?
はい、はい、ございます、
3つの袋に一杯ね。
ひとふくろはご主人さまに、
ひとふくろおくさまに、
ひとふくろは小道の先に住んでいる坊やのぶん。
音読をしよう
歌詞の朗読を聞いて、シャドーイングしてみましょう。
音声提供:音読さん
語句解説
- black sheep:黒ヒツジ
ちなみに、比喩としてblack sheepには「やっかいもの」という意味があり、いまでも使われています。黒い羊毛は白いものより価値が落ちるから、そのような意味が生まれたのでしょう。(例)She was the black sheep of the family.という感じです。この詩ではそのような意味合いはなさそうですね。
- master:ご主人
- dame :奥様
- lane:小道。down the lane で、「小道を下っていたところに」の意味。
イマココ英語オリジナル♪暗唱チュートリアル
この動画で私と一緒にBaa Baa Black Sheepを暗唱しちゃいましょう。
イマココ英語オリジナル♪カラオケ音源
最初の2小節は前奏です。
カラオケ動画をはこちらから。
マザーグース深読み探検隊
1,2行目。Baa, baa, black sheep, have you any wool? と疑問から始まりますが、よく見ると多分に奇天烈です。まず、聞いている相手は black sheepであり、動物相手に英語で質問している点は良いとして、"Baa, baa"ってなんでしょう。
もちろん、ヒツジの鳴き声なんですが、なぜblack sheepへの呼びかけの前にあるのか。
幼児が犬を「ワンワン」、猫を「ニャンニャン」と鳴き声で呼ぶことはありますが、この場合、ちゃんとblack sheepっていえてますよね。唯一のロジカルな可能性は、この質問を投げかけている話者もヒツジということでしょうか。自分自身の鳴き声ということですね。しかもblack sheepと呼びかけているので、その場合自分は普通の白いヒツジなのでしょう。と、大人げなく突っ込んでしまいしたが、本来あまり深い意味はないと思われるので、ここはBの音が3つ続くリズムを楽しむことにしましょう。
ここから先は、すべてBlack sheepの発言になります。
3,4行目は、Yes, sir, yes, sir, Three bags full; ですが、sirを使うからには、聞き手は男性なのでしょう。
5-7行目のOne for the master, One for the dame, One for the little boyですが、masterとdameは夫婦と想像できますが、little boyがその息子なら話はまとまるものの、実際は8行目にあるようにthe little boy who lives down the laneなので、親子ではなさそうです。
だとすると、なぞの羊毛分配ルールです。よく言われるのが、税金の隠喩ではないかということ。つまりmasterが王様を、dameが貴族を表し、残りのboyが農民ということ。だとすると、王様と貴族合わせて税率66.66%!なんとご無体な。
むむ、聞き手(男性)は、ヒツジの疑いをかけてしまいましたが、徴税人なのかもしれません。
そう考えると、この歌は徴税人が「オラオラ、年貢はできたのけ?」と圧をかけに来たところ、黒ヒツジが「へへえ、旦那、できておりやす」というシーンを表しているものに思えてきました。
現代でいえば相当にブラックな環境です。あ、だからBlack sheepなのでしょうか。
冗談はさておき、この曲は"ABCの歌"および”きらきら星"と同じメロディーですが、これらが近年に作詞されたものであり、非常に整っているのにたいし、”Baa, baa, black sheep”のシュールさ、不条理さは、これぞMother gooseの王道という感じですね。