書店に行くと、新年度のNHKラジオ語学番組のテキストが並ぶ今日この頃。
新しい講座を始めるチャンスでもありますが、そんな中、私が気になっている番組はこちら、
中高生の基礎英語in English
です。
この番組、その名の通り、番組はオールイングリッシュ、つまり説明含めてすべて英語なのです。
近年、文部科学省は、中学校から英語の授業を、原則英語で行うことが基本に掲げており、私自身が受けてきた日本語中心の授業を思うと、隔世の感がありますが、この番組は、そうしたトレンドを敏感に取り入れた意欲的なプログラムなのです。
4月号を購入してきましたが、「番組紹介」をチェックしてみると、目標は、英語を英語のまま理解して、英語で考えを伝えられるようになることとあります。シンプルですが、それができなかったのがこれまでの日本の英語教育なのだと思います。
全部英語で、となると付いていけるのか?と不安になりそうですが、レッスンに出てくる英単語や英語表現の大半は、中学生の基礎英語レベル1,2の範疇であり、新しい単語や表現は、より易しい英語で言い換えて、日本語を介さなくても理解しやすくなっています。
尚、NHKが実施したアンケートでは最も多い視聴者層は中学校3年生。上記の工夫がされているので中3でもオールイングリッシュで行けるのです。
番組では「1つのテーマを5日間かけて話し合います」とされており、2024年4月号では
- Tell us about your name.:あなたの名前について教えてください。
- Tell us what you're into.:どんなことに夢中か教えてください。
というTopicが設定されています。月に2トピックが用意されており、月の後半は同内容の再放送となっています。
なんだ、月に半分しか新しい放送が無いのか…と思うかもしれませんが、復習して定着させるという目的ではむしろ望ましいかもしれませんね。
英会話学習では、通常ネイティブスピーカーを主人公としたストーリーやシチュエーションが所与のものとして与えられ、それを真似る形になりますが、自分がその立場にあるわけでもないので、唐突感は否めません。一方で、はじめから自分が自分の意見を述べることを前提に学んでいくこの講座はとても実践的だと思います。
番組ではダイアログを軸に学習していきますが、それを参考にして自分自身の考えを述べていくことが重視され、ゲスト(2024年度は住田萌乃さん)も頑張って英語で、自分の言葉を伝えてきます。その姿勢に触発されてリスナーも英語で話すことがごく当たり前のように感じられる、そんな仕掛けになっていると思うのです。
この番組、「中高生」向けではありますが、中高生だけのものにしておくのはもったいない。「伝統的」な日本語による英語教育を受けてきた我々も、改めて英語で英語を学び直し、しかも英語を英語のまま理解して、英語で考えを伝えられるようになるチャンスではないでしょうか。
その意味でワタクシはこの番組を、中高年の基礎英語inEnglishと読み替えたいです(笑)。子供たちと一緒に聴いて、英語で自分の意見を述べ合う、そんな活用をしてきたいと思います。
2024年4月号の試し読みはコチラから:https://www.nhk-book.co.jp/tachiyomi.html?id=000009553042024