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英会話のパルテノン神殿(2021.9.17改訂版)

英会話のパルテノン神殿とは?

日本人は総じてなぜ英語が話せないのか。話すチャンスがないからとか、英語自体が難しいからとかいろいろ言われますが、出来ない出来ないといってばかりでは英語産業が儲かるばかりでなんの進歩もありませんので、まずはどのようなスキルが英会話力を構成するのか、分解してみるべきではないでしょうか。そのうえで、構成要素としてのスキルを意識して身に着けていくことで、英語が話せるようになるのではないか、考えるわけです。

そんなこんなで、ここ1か月間ほど、週に1-2日の通勤電車の中で構想を練った結果、英会話力の構造はパルテノン神殿で表現できることがわかりましたので発表致します!パルテノンの屋根を英語力としたとき、それを構成するスキルを柱や梁、基礎に例えて表しています。

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柱(Pillar)

柱は英語力を支える基本的な構成要素です。英語の勉強でカバーできる範囲と思います。英会話力を高めていくためには、実践と学びを通じてこの柱を一本一本、太く強くしていく必要があります。

  • 文法力:そのままですね。学校教育・受験を通じて日本人が一番得意とするところかもしれません。
  • 語彙力:こちらも学校教育・受験で鍛えられる部分ですね。
  • リスニング:昨今の教育では力を入れていますが、お手本的なきれいな発音だけでなく、ネイティブのモゴモゴ英語や非ネイティブの癖のある英語を聞き取るためには相当の訓練が要りますね。
  • 発音力:苦手分野で、学校教育でもカバーしきれていません。その分、英語学習者には磨きがいがありますね。
  • 表現力:語彙力がいくらあっても、そんな言い方はしないとか、この時はこの言い方が定番、といったリアルな会話の場で言いたいことを伝える能力です。日本の従来的な読み書き中心の英語教育ではなかなか身に付きにくい部分です。

梁(Beam)

英会話のパルテノンで一番重要だと思うのがこの梁です。なぜならば英語教育というか学校教育では学びませんし、英会話スクールなどにおいても、意識的に教えられることが少ないから。それでいて、意識的に学び、実践していかなければ身に着けることができず、いくら英語を勉強しても(「柱」を太くしても)話せないことになります。以前から紹介し、私も参加しているToastmastersはこれらの力を学び実践できる場ですし、イマココ英語でもToastmastersの世界に足を踏み入れる一歩手間となる場としての各種交流会を企画しています。

  • 傾聴力:リスニング力はテクニカルに聞き取る能力とすれば傾聴力は、より実践的な「聴く力」です。英会話では、自分の話をすることに必死になって、あるいは相手の発音を聞き取ることに集中して、相手の話の肝心な中身を理解できていないということが起こりがちです。傾聴力を磨いて、相手の話をしっかり聞いて、時に頷き、合いの手を入れ、またわからなければ訝しげな表情をして相手に聴き手としてのフィードバックを与えること、次の自分の発言をどうするかを考えながら情報収集をすることはとっても大切ですね。
  • 質問力:これは相手の話をしっかり理解したうえで、的確な質問をできるスキル。質問といっても、挙手して、質問があります!という形式的な質問だけでなく、「それっとこういうこと?」や「これについてはどう思う?」というちょっとした聞き返し、確認も含まれます。よく聞いて話を理解するスキルはもちろんですが、質問するには度胸もっと言えば適度な図々しさが必要で、日本人の苦手な分野だと思います。けれど、質問をすることで、相手には自分が話の内容を理解できているのか、またどのくらい関心があるのかが伝わりますし、質問と回答を繰り返す中で、会話が盛り上がっていくことはよくありますよね。
  • プレゼン力:これは、言いたいことがきちんと伝わるように伝える能力。細かく言えば、話の内容と話し方に分けられます。日本語では話し方が9割、といったことが言われますが、英語でも全く同じ、声量、テンポ、表情、ジェスチャーといった要素が重要です。

基礎(Foundation)

この基礎は、初版では「人間力」となっていました。しかしさらに思索を深め、より具体的に勇気・元気・根気であるべきだという思いに至りました。昭和な精神論っぽいですが(笑)。しかし、こういうメンタルを基礎としてしっかり持っていれば、その上に立つ柱も梁も太くて頑丈なものとなり、立派な神殿が建てられるはず。

  • 勇気:ノンネイティブで日本語環境で育ってきた人にとっては英語は最初は口にするのも気恥ずかしいものかもしれませんし、ましてや間違えると恥をかくという思いもあります。けれど、それにもかかわらず英語を喋ろうという勇気をもって、一歩踏み出さなければ永遠に英語は喋れるようになりません。
  • 根気:英語はある瞬間に突然喋れたり聞けるようにはなりません。明日の自分の英語は今日の自分から地続きです。けれど、だからこそコツコツ努力を続けて、昨日は言えなかった表現が言えるようになったりするわけです。多くの人は学校教育が終われば英語の学びも止めてしまいます。いくつになっても根気よく学び続けることが大事と思います。
  • 元気:あえて基礎の中心に添えています。元気というのは松岡修造さんのような暑苦しいほどのエネルギーが必要、というわけではありません。世界に対して、他人に対して関心を持ち、心を開いてコミュニケーションをしに行くというモチベーションのことです。そもそも英語で他人とつながりたいという気持ちが無ければ、英会話を学ぼう、実践しようという気持ちにもなりませんよね。

神殿の使い方

さて、この英会話のパルテノン神殿ですが、整理して満足するつもりはございません。英会話力を身に着けたい方が、いまどのスキルが苦手であるとか、この学習なり実践が、神殿のどの部分を構成するのかを意識して頂くことで、より早く自分自身の神殿を築き上げ、大きくしていくことができる助けになればよいと思っています。具体的な活用法は…また通勤電車で考えてお知らせします!

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